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大震災 / 所蔵品損傷

所蔵資料の被害状況 展示室での被害状況

前日の1月16日まで、企画展として2階南蛮美術館室で「南蛮美術名品展」、特別展示室2で「江戸時代の名所巡覧展」を、また、ギャラリーでは「安東聖空展」を開催していた。また、同時に常設展示室の5室も通常どおり展示していた。
「南蛮美術名品展」には33件57点の作品が展示されていたが、通常ならば展示されるはずの重要文化財「泰西王侯騎馬図」(4曲1隻)、重要美術品「聖フランシスコ・ザヴィエル像」(1面)は、スペイン・ベラスケス宮殿で開催された文化庁海外展に出品中、重要文化財「織田信長像」(1幅)は他館への貸出が決まっていたために、展示をせずに4階収蔵庫内にあった。また、狩野内膳筆「南蛮屏風」にいたっては、重要文化財指定のための審議会にかけられるために、16日午後5時の閉館後から梱包を行い、東京に向けて出発したところであった。
「江戸時代の名所巡覧展」には44件45点が展示されていたが、この2室では、倒壊したケース内に展示中だった資料以外には目立った被害はなかった。ただ、展示中の屏風(6曲1隻)は開ききり、前面ガラスのもたれかかった状態となったが、自在に掛けてあった掛幅の落下はなかった。
旧館の1・2階に位置する常設展示室では、5室で総展示点数779点のうち15.8%に相当する123点に被害があった。その原因を考えると、展示台や壁面からの落下が48%、資料自体の転倒が18%と、展示資料の落下・転倒防止が十分であれば、3分の2の資料が被害を免れたこととなる。また、展示スペースと照明ボックスを仕切るルーバーの落下によるものが18%あり、通常考えられる対策さえ講ずれば被災を最小限度にくい止められることとなる。
この被災資料を材質別にみると、工芸品や考古資料などの立体資料に集中している。
旧館2階のギャラリーでは、額装の書が26点、2曲1隻の屏風1点と彫刻5点が展示されていた。このうち屏風1点は倒れて表具が損傷したが、ワイヤー2本でつり下げられていた額はかなり揺れはしたものの、落下したものはなかった。
旧館1階のホールでは固定ケ一ス内に4曲1隻の屏風(複製)1点と額装の絵画(複製)2点、ホール東側に彫刻2点が展示されていた。このうち約2mの平清盛像(柳原義達作)が高さ約1mの台座から落下し、損傷した。

所蔵資料の被害状況一覧(PDFファイル)  /  ・修復された被災資料の一覧(PDFファイル)

向かいにあった可動ケース(「摂州兵庫図絵馬」複製を展示)が転倒し、長崎版画等を展示していたケースに激突、ガラスを大破した。絵馬には損傷はなかったが、ガラスの破片により長崎版画の表面に細かい傷がはいった。950125

階段状の展示台から望遠鏡が下の段に落ちている。1点金具がとれたが修復可能。950125

掛時計2点、尺時計2点、枕時計1点、硯屏時計1点、が落下、破損。950125

展示台上の台ランプなどが台から落下、右奥のルーバーが落下するなどして、展示27点中14点が損傷。電灯やガス灯を展示していた箱型のアクリルが転倒、資料損傷が多い950121

常設展示室4 ルーバー落下。上に蛍光灯が見えている。被害多し。950219

馬形埴輪のコーナーの被害状況 展示ケースが大きく前方へ移動して転倒。損傷。950121